温暖化

“予想通り”の気候変動?

世界気象機関(WMO)が、2010年の世界の平均気温が1998年や2005年と並んで過去最高だったということを発表した。まだ暫定みたいで、最終的な発表は3月になるそうだが。 WMO: 2010 equals record for world’s warmest year 確かに昨年は世界各地で猛暑のニュ…

新しい内閣の気候変動問題についての立場は・・・?

#この前書きかけてポストするの忘れた記事です。また今更のネタだけれど、この前、内閣改造が行われ、「菅第2次改造内閣」が発足した。気候変動対策が、昨年末に開催された「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」において大幅に後退し、今後の政策の見通しが…

NOAAのYouTube動画

いつも見ているClimate Progressの記事で紹介されていたもののパクリなんだけど、面白かったので紹介。アメリカのNOAA(アメリカ海洋大気圏局)が運営しているサイトで、Carbon Trackerというのがある。ここがYouTubeにチャンネルを持っていて、そこに登録さ…

アメリカの中間選挙を経て

アメリカの中間選挙は予想通り、共和党が議席を伸ばし、民主党が負けた。一般論としては、これで、ますますアメリカにおいて気候・エネルギー法案が通る望みは小さくなり、それによって、国際交渉はますまず厳しくなると言われている。そんな最中でも唯一の…

地球温暖化対策基本法案が衆院を通過

昨晩、地球温暖化対策基本法案が衆議院を通過した。http://www.asahi.com/eco/TKY201005180554.html少し揉めたようではあるが、ひとまず通過し、議論の場は参議院に移った。ウェブキャスト等をまだ見ていないので、14日の環境委員会での様子も、昨晩の本会議…

アメリカ議会上院気候・エネルギー法案プロセスのこれまで

ケリー=リーバーマン法案の発表 ちょっと前に「歴史的な数日間」というタイトルでエントリーを書いてから、けっこうな日にちが経ってしまった。決着には、「数日」どころではなく、日が必要だったようで読みが浅かった・・・。昨日12日、ついにというか、や…

歴史的な数日間

多分、ここ数日間のアメリカの議会・上院の動向は、歴史的にも重要な 数日間になるだろう。今日(月曜日)に発表される予定だった気候・エネルギー政策法案のついて、共同提案者になる予定だった共和党議員Grahamが、民主党が移民政策法案を優先させる方針を変…

地球温暖化対策基本法案の閣議決定と中長期ロードマップの議論

この間、国内的なビッグニュースとしては、なんといっても地球温暖化対策基本法案が閣議決定されたことだろう。 環境省報道発表資料平成22年3月12日:地球温暖化対策基本法案の閣議決定について(お知らせ) いろいろあったが、 とりあえず、国際合意を条件…

83の企業がオバマ大統領・議会メンバーに包括的な気候変動・エネルギー法案を求める書簡を提出

お国柄なのか、アメリカは、気候変動対策に反対するロビーも強いが、むしろ自分たちが望む形で政策を作って欲しいと考えて、逆にロビーする企業もいたりする。 We Can Lead: Over 80 U.S. Companies Call on President Obama & Congress to Enact Comprehens…

BASIC グループ

今月25(月)〜28日(木)の予定で、いわゆるBASICグループの会合が開かれるらしい。BASICとは、ブラジル、南アフリカ、インド、中国の4カ国からなるグループである。これらの国々は、成長著しい新興国として、気候変動交渉の中でも重要な役割を果たしている…

ボリビアが気候変動に関する国際会議を開催?

ちょっと前のエントリーで、コペンハーゲン会議の結果について書いた。その時、注目すべき動向として、ベネズエラやボリビア等のALBA諸国の動向というのにちょっと触れた。そのボリビアが、気候変動に関する“オルタナティブ”な国際会議を開催するというニュ…

各国が掲げている削減目標は「2℃未満」にとって十分なのか?(2)

Climate Action Tracker さて、ちょっと間が空いてしまったが、前回の続きである。今回は、Climate Action Tracker を取り上げる。Climate Action Tracker は、ヨーロッパの著名な研究機関であるEcofysや、Nature に載ったカーボン・バジェットに関する論文…

各国が掲げている削減目標は「2℃未満」にとって十分なのか?(1)

全体目標が持つ影響に関する3つの研究 コペンハーゲン会議(COP15・COP/MOP5)までの過程の中で、先進国や一部の途上国は自国の温室効果ガス排出量削減に関する中期目標(〜2020年)を自主的に発表している。日本が、政権交代後、2020年までに1990年比で25%…

コペンハーゲン会議の結果について

デンマーク・コペンハーゲンでの国連気候変動会議(COP15・COP/MOP5)が終わって、早くも2週間が過ぎ去り、もう年の瀬だ。今年は色々なことがあったが、この会議に照準を合わせて色々やってきたので、それがあんな形で終わると、がっかりしてしまって、少し…

同僚の書いた本

忙しい時期に「ちょっと休憩」のつもりでブログを書くのをお休みしたら、そのまま3ヶ月が経ってしまった。いつもそんなんばっかりだが。気がつけば、もうコペンハーゲン会議直前だ。そんな時期に、同僚が本を出した。地球温暖化の最前線 (岩波ジュニア新書)…

ドイツ・ボンでの初日。国連気候変動ボン会議IIIへ向けて

昨日(7日)の晩にドイツ、ボンに到着した。月曜日から始まる国連気候変動ボン会議IIIに仕事で参加するためだ(10日〜14日)。今回は、AWG LCA とAWG KP それぞれの非公式会合が開催される。「AWGって何さ?」という方は、昨年のポズナニ会議の時に書いたエ…

各選挙区の候補者の温暖化対策への姿勢が分かるサイト

ちょっと仕事に関連してしまうのだけれど、広く関心のあることだと思うので少し宣伝。うちの団体も参加しているMAKE the RULE キャンペーンが、昨日、各選挙区での候補者の温暖化対策に対する姿勢をチェックできるサイトを作成した。 未来を選べ! 衆議院議…

公明党・社民党・共産党のマニフェスト/選挙政策

昨日は民主党のマニフェストについて言及したが、今日、改めて各党を見てみると、結構、各党とも出している。ということで、昨日に引き続き、各政党のマニフェストもしくは選挙政策について、気候変動政策関連分野のみ、ざっと見ておく。昨日の民主党の時と…

民主党のマニフェスト発表

今回の選挙は、ひょっとしたら政権交代がありうるかもしれない選挙ということで、世間的にもきわめて注目度が高い。個人的にも、楽しみ(?)な選挙だ。気候変動政策の分野においても、現政権が存続するか、民主党が政権を奪取するかによって、その後の政策…

G8とMEF:長期目標で共通認識深めるも・・・

7月8日〜10日の日程で、イタリアのラクイア(L'Aquila)という場所でG8およびMEF(主要経済国フォーラム)が開催された。map:x13.399972915649414y42.35201090701361:map元々はラ・マッダレーナ(La Maddalena)という場所で開催されるはずだったものが、ベ…

Carbon Markets Asia の2日目(6月24日)の感想(今更・・・)

なんだか本当に今更の感があるが、一応、「書く」と宣言したので書いておく。本当は、今日というタイミングだとG8&MEFの結果についてコメントすべきだろうけど・・・。再び、自分用のメモから特にこれは面白かったという部分だけを前後の文脈を無視して書い…

Carbon Markets Asia の初日(23日)分の感想

最初の印象 6月23〜24日に出張で行ってきたCarbon Markets Asiaの感想を初日と2日目に分けて書いておこうと思う(初日の感想を書いていたらやたらと長くなったので)。初日は自分のプレゼンがないので、比較的ゆったりと他の人の発表を聞いていることができ…

イギリス・ゴードン・ブラウン首相のコペンハーゲンへ向けてのスピーチ

同じようなタイミングでもう1つ重要な動きがあった。イギリスのゴードン・ブラウン首相が、コペンハーゲンへ向けての方針を発表するスピーチを行った。 Number10.gov.uk: Government sets out “Road to Copenhagen” スピーチの大半は、これまでのEUの路線を…

ワックスマン・マーキー法案が下院を通過

僅差での通過 今春からアメリカの国内政策議論の焦点だったワックスマン・マーキー法案(American Clean Energy Security Act of 2009: ACES)が下院を通過した*1。 Commitee on Energy and Commerce of the House of Representatives: House Passes Historic…

『日経ビジネス』の太陽電池特集

もう1週間以上遅れた話題になってしまうが、6月8日号の『日経ビジネス』は太陽電池を特集していた。『日経エコロジー』との共同取材ということのようで、執筆陣にも『日経エコロジー』で見慣れた面々が並んでおられる。最近、固定価格買い取り制度(フィード…

国連気候変動ボン会議IIの閉幕

予想以上に早い閉幕 このネタは、明日にならないと書けないのではないかと思っていたのだけれど、意外や意外、日本時間ですら12日の日付を超える前に、ドイツ・ボンで会議が閉幕したようだ。既に、UNFCCCの事務局からプレスリリースが出ている。公式には国連…

中期目標発表の後

昨日、予定通り麻生首相が中期目標を発表した。スピーチのテキストとその動画は、官邸のウェブサイトから見ることができる。大方の予想通り、2005年比15%(1990年比に直すと約8%)の削減という目標だった。それ以外の部分では、特にこれまで言っていないよ…

日本の中期目標の発表

今日の18時に、温室効果ガス排出量削減に関する、日本政府としての中期目標の発表がある。2020年までに何パーセントの排出量を削減するつもりがあるか、ということの発表である。発表は、総理の記者会見という形で行われ、NHKで生中継される予定だ。報道では…

江守正多『地球温暖化の予測は「正しい」か?』 化学同人 2008年

地球温暖化の予測は「正しい」か?―不確かな未来に科学が挑む(DOJIN選書20)作者: 江守正多出版社/メーカー: 化学同人発売日: 2008/11/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (20件) を見る休日に本屋をぶらぶらと…

中期目標発表まであとわずか

日本の中期目標の発表まであとわずか。巷の噂では10日の夕方らしい。7日の朝日や日経によれば、首相はどうやら「90年比7%削減」=「05年比14%削減」の路線でいくつもりらしい。「7%削減」は、政府が「最大導入ケース」という名前で呼んでいる選択肢であり…