Green My Apple

僕は大学時代から自宅ではMacを愛用しているのだけれど、昨日、Green My Appleというキャンペーンのウェブサイトを発見した。

アップルの自身のウェブサイトにデザインを似せて作ったサイトで、アップルの製品に含まれる有害化学物質や製品の短いライフサイクルと主にアジアを中心とする国々への廃棄の問題の改善を訴えている。

グリーンピースというと、日本ではすぐに「過激な団体」としてのイメージが先行してしまうようだが、このキャンペーン自体は、よく読めば、アップル・ユーザーのアップル製品に対するこだわりを刺激することによって、電子機器メーカーでの環境先進的な会社になってほしい、というかなり前向きなメッセージがあることが分かる。以下はサイトからの引用。

It's not about bruising Apple's image, Apple should be an environmental leader. We want Apple to be at the forefront of green technology, and to clearly show other companies how to do it the right way. But YOU have to tell Apple to go green to the core -- they listen to their customers, not to Greenpeace.

PC機器に含まれる有害化学物質や、その廃棄の問題は、前々から個人的にも使っていて気になっていたし、アップルの製品を好きだからこそ、先進的であって欲しいと思っていたので、こうしたキャンペーンをGreenpeaceがやってくれるのは、個人的には歓迎である。

一歩下がって、キャンペーンのやり方として見たときに上手いなと思うのは、アップル・ユーザーのデザインへの”こだわり心”というポジティブな側面に訴えている点。そこを刺激して、キャンペーンを「不買運動」というような方向ではなく、「良い方向へ変えるように訴えていきましょう」と訴えているところである。

別にウィンドウズ・ユーザーが”こだわり心”を持っていないというわけではないと思うが、MaciPodユーザーには、少なからず、アップル製品の持つある種の”スタイル”が好きだから使っている人が多いと思われる。特に、Macユーザーには熱烈な愛好者が多いのは疑うべくもない事実である。より一般的/多様なウィンドウズ・マシン・ユーザー層よりも、そうした人間が集まっているアップル・ユーザーから先にキャンペーンの対象を絞って攻めていくというところに戦略性が見られる。

また、上述したように、こうしたキャンペーンの特設サイトを、アップル自身のサイトに酷似させたり、キャンペーンを広げるための手法に、従来通りの"tell a friend"だけでなくて、ソーシャル・ブックマーキングや、ブログでのタグなど、様々なWeb 2.0的手法も取り入れようとしている。

実際、僕がこのキャンペーンを知ったのも、あるブログで紹介されていたからだった。こういう仕掛け作りは、うちの団体よりも数段上手く、学ぶべきところも多い(私はあんまりこういうキャンペーンの担当にはそもそもならんが)。