読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ランディ・パウシュ ジェフリー・サスロー 『最後の授業』 ランダムハウス講談社 2008年

読書

ちょっと前に本屋で見かけて手に取って読んでみた。アメリカでかなり話題になったらしいのだけど、本屋で見かけるまで寡聞にして知らなかった。

最後の授業 ぼくの命があるうちに

最後の授業 ぼくの命があるうちに


『最後の授業』とは、カーネギーメロン大学で行なわれている講義シリーズの名前らしい。多分、大学の先生による「最後の授業」(あるいはもっと一般的には「最終講義」と呼んでいると思うが)を、特別扱いして一般に公開したりする試みというのは、この大学のみに限った話ではなくて、日本の大学でも行われている。

このランディ・パウシュという人の「最後の授業」が特殊なのは、彼が癌の転移によって余命あと半年と宣告されており、文字通り「最後の授業」になる可能性があったことと、それが録画されてYouTubeに流されたとうこと。そして、その中身が、どうやって夢をかなえるかについてという極めてポジティブかつ普遍的な内容であり、多くの人の共感を呼んだことである。

日本でも共感を得ているようで、下の動画では、既に字幕まで付いている。動画は全部で9つに分けられている。1つ目が終わったら、表示される関連動画から次のものを順に探していってほしい。結構長いので、それなりに時間があるときでないとつらいと思うけど。

画質が気になる人は、上述の本にはDVD付きのバージョンもある。

ランディ・パウシュという人は、バーチャル・リアリティの分野で世界的権威らしいので、その筋の人にはより一層の共感を与えるのだろうが、そうでなくても、十分に聞き応えがある。ちょっと長いので、疲れていたりすると、途中で中だるみするかもしれないが、一通り聞いてみるだけ(読んでみるだけ)の価値はある。

なんで面白いのかなと考えてみると、彼の「どうやって自分の夢をかなえてきたか」という話は他の多くの面白い話がそうであるように、彼が出会った数々の「人々」のお話であり、それらの出会いを通じて得られた教訓の話であるからである。実際の人々との出会いを通じて語られる教訓は、教科書的に語られる話よりもリアリティをもって聞く人に訴えるものがある。そして、そうした話を語るときの彼はどこまでのポジティブであり、ユーモアに溢れている。これが「余命半年」を宣告された人間の語り口であることを思うと、よりそれらの話の重みが感じられる。

「レンガの壁」の格言は、誰の夢にも当てはまる話だと思った。