Dr. House・シーズン1

#最近仕事が忙しいので、あんまり仕事に関係したことを書く気になれないので、またまた脱線気味なエントリー。

私は海外ドラマが好きで、けっこう沢山見ている。

その中でも、特にお気に入りが、このDr. HouseとBoston Legalの2作。DVDが出たら絶対買おうと思っていた。今回、めでたく(?)、Dr. House の方がDVDとして日本でも発売された。いつ日本ではDVDが出るのかと待ちかまえていたので、早速購入。

主人公のハウスというキャラクターを好きになるかどうかによって、好き嫌いがはっきりと分かれると思うが、個人的には今ある海外ドラマの中でも1、2を争う面白さだと思う。目茶苦茶オススメである

Dr. Houseは、簡単に言えば、ニュージャージープリンストンにある病院を舞台にしたドラマ。

主人公のグレゴリー・ハウスは、性格は悪いが診断医(diagnostitian)としては異常なまでに優秀。彼が持つ知識と経験に裏付けられた観察力は、他の人が見抜くことができなかったものを思いもよらぬ方向から見抜いていく。そのハウスが、彼のチームと共に、毎回、一風変わった病状も持つ患者や、他の医者が解決できなかった患者の病気の原因を解明していく、というのが基本的なお話の流れ。

"ハウス”というキャラクターのモデルになったのは実はシャーロック・”ホームズ”であることからも分かるように、病気という「謎」を解き明かしていく一種のミステリー/推理小説風なストーリー展開をする。

ホームズに負けず劣らずの変人であるハウスは、患者や病気を「パズル」としてしか見ない態度や、無茶苦茶な方法で治療を行ったりする姿勢などから、患者や親族に不快感を与えるのは日常茶飯事、同僚や親友、上司ともいさかいを起こしながらも、最終的には(ほとんどのケースで)問題を解決していく。

シーズン前半の主な登場人物は、ハウスと唯一無二の親友であるジェームズ・ウィルソン、上司のリサ・カディ、ハウスのチームのキャメロン、フォアマン、チェイスという3人の部下。

ウィルソンは、いつもハウスに迷惑をかけられ、逆に小言をハウスに言って鬱陶しがられる。でも、誰よりもハウスを理解していて、彼の友情はシーズンを重ねる中で重要性を増していく。そして、カディはいつもハウスにきちんと仕事(診療クリニックの担当をサボるなと尻を叩く)しろといい、ハウスがやろうとする無茶苦茶でリスクの高い治療法を止めさせようとする。が、結局は、ハウスのやり方をどこかで認めているし、彼の優秀さを高く評価している。

3人の部下では、フォアマンが、ハウスに対していつも張り合おうとする。チェイスは、やや日和見的な性格ながら時折鋭さを発揮する。キャメロンは、一番人情味に溢れていて人間らしいが、逆にそれがゆえに情に流される部分もある。それぞれの性格から、ハウスに反発したりそんなバカなといったりしながら、治療は進んでいく。

ただ、なんといっても、本作の魅力はハウスというキャラクターの性格付けにある。性格が悪くて孤独な天才ハウスが、ホームズばりの観察眼や、関係無い話をしている時に「そうか、分かった」的な発想で病気を解決していく様は、たしかに医療ドラマというよりは推理小説に近い部分がある。

私が個人的にこのドラマが好きなのは、ハウスのそうした「すごさ」もさるところながら、彼の極端な結果主義に魅かれるものがあるからだ。

ハウスは、部下がやることをバカにしたり、皮肉ったりしながら、正しいと思ったことはガンガン取り入れ、そしてそれがどんなに無茶苦茶であっても、やり通す。結果、実は結構よく間違いを起こし、患者の病状を悪化させたりもする(!!)のだが、最終的にはほとんどのケースで解決に持っていく。そうして、彼にしか救えなかったであろう患者を救っていく。

なんでもそうだが、周りの人間が誰も自分の言っていることを信じない中で、何かをやり抜くというのは大変だ。特に、「害をするなかれ」(do no harm)を原則とする医療のような現場では、そうしたことによる結果の責任が問われるだろう。だから、リスク忌避的になりがちだと思うのだが、ハウスはそうではなく、何かが正しいと思ったら、手段を選ばず、それが患者を騙すことであろうが、ルールを破ることだろうが構わずにやり抜く。そういうハウスの姿が、実によく描かれている。

また、ハウスの台詞はウィットに富む皮肉や鋭さに溢れていて、それを聞くのも結構楽しい。もっとも、医学用語は、日本語に直しても意味不明なものが多く、大半がほとんど日常生活では役に立たないが・・・。

本国アメリカでは、ちょうどシーズン5が終わったところ。このシリーズは、全部DVDで買うだけの価値があると思う。