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公明党・社民党・共産党のマニフェスト/選挙政策

温暖化 国内政策

昨日は民主党マニフェストについて言及したが、今日、改めて各党を見てみると、結構、各党とも出している。

ということで、昨日に引き続き、各政党のマニフェストもしくは選挙政策について、気候変動政策関連分野のみ、ざっと見ておく。昨日の民主党の時と同じように、まず全体の中での位置づけを確認した後に、個別に何を言っているかを確認していく。

社会民主党

社会民主党のマニフェストは、まだ本発表ではないようで、「第一次案」なるものがウェブサイトに掲載されている

冒頭に「私たちは目指します」という形で、4つの「基本政策」が挙げられている。その中では、「(4)9条(戦争放棄)、13条(幸福追求権)、25条(生存権・環境権)など、憲法理念を実現します。」という部分で環境権が言及されているが、気候変動政策に直接かかわる内容ではない。

また、その次に出てくる「3本柱」にも気候変動政策は出てこない。

そのさらに次の「財源論」の部分で、ようやく「(4)経済や金融のあり方を変える」という主張の中の1項目として、「環境税や国際連帯税の検討」という言葉が出てくる。

全体の中での位置づけとしては、他の問題に比べると高くないようだ。

ただし、「「生活再建」10の約束」という具体的な内容になると、やや踏み込んだ内容が出てくる。特に、その「再建7みどり」は副題が「地球温暖化ストップ」となっており、そのカテゴリーの中で掲げられている政策は多くが気候変動関連だ。全部で11の約束が挙げられているが、そのうちの最初の8つが気候変動に直接的に関連する。

1.京都議定書の達成、地球温暖化防止に取り組み、温室効果ガスを2020年までに90年比30%、2050年までに80%削減します。
2.太陽光や風力発電を電力会社が一定の価格で買い取る「固定価格買取制度」を導入します。
3.スマートグリッド(次世代送電網)の普及をはかります。
4.バイオマスなど、地域循環型の自然エネルギーを大幅に拡充し、雇用をつくり、地域振興をはかります。
5.すべての国公立学校や公共施設への太陽光発電設備の導入をすすめます。
6.脱原発をめざし、核燃料サイクル・再処理を中止します。プルサーマル計画に反対します。
7.環境税(CO2排出量に比例)の導入をめざし、社会保障や温暖化対策などの財源にします。
8.企業にも社会的責任を求め、産業界などに排出枠を配分する「キャップアンドトレード型」の国内排出量取引制度を導入します。

中期(2020年)および長期(2050年)の目標が、それぞれ「90年比30%」および「90年比80%」削減となっており、これは環境NGOが主張しているラインそのものである。民主党よりもさらに一歩踏み込んだ内容となっている。

その他の政策についての立場では、民主党とそれほど大きな違いは見当たらない。固定価格買取制度(全量かどうか、等については言及がない)、環境税、キャップ&トレードなどは、共通する部分もある。脱原発の方向性が明確な点は、社民党らしさが出ているが。

公明党

公明党のマニフェストは分厚く、77ページもある。

気候変動政策は、冒頭の「マニフェスト中長期ビジョン」という部分にはあまり出てこない。ただし、「5 行動する国際平和主義」という部分で、「志」のある平和外交の3つの重要分野の1つとして地球温暖化対策が挙げられている。

また、気候変動/地球温暖化という言葉ではないが、「緑の産業革命」という言葉で、重点分野の1つとして明確に気候変動政策周辺の政策が位置づけられている。しかも、マニフェストが分厚いだけに、中身もやや他の政党より突っ込んでいる。

いくつか、気になった点だけコメントをつけると、

  • 「2度未満」に言及している:地球の平均気温上昇幅を2℃を超えないようにすることに明確に言及している。これは他の政党には見られない。
  • 途上国での温暖化対策の資金源として、「地球環境税」(仮称)が提唱されている:気候変動政策の分野で、途上国支援に明確に言及し、資金源について言及しているのも、他の政党に見られない特徴だ。ただし、この「地球環境税」なるものが何なのかについては詳しい言及がない。
  • 中期および長期の目標:「2020 年に1990 年比25%削減、 2050 年に同80%削減を目指」すとあり、これは、現政権が掲げている目標よりも中期については明らかに高く、民主党と同じだ。長期は民主よりも高い目標設定になっている。
  • 排出量取引制度:キャップ&トレード型の制度導入について、現政権よりも一歩踏み込んでいる。特に、現在の「試行」から「本格的実施」に2013年までにという期限付きの宣言は、自民党の低炭素社会づくり推進基本法案よりも明確に踏み込んだ内容だ。
  • 再生可能エネルギー:最終エネルギー消費の20%に再生可能エネルギーの割合を増やすというのは、自民党の法案にも記されている。ただし、こちらには「ヒートポンプを含む」という但し書きはついていない。

こうした個別の点に加えて特徴的なのは、他の政策分野においても、成長産業としての再生可能エネルギー/新エネルギーや、低炭素社会地球温暖化防止といった言葉、頻繁に出てくることだ。他の分野においても気候変動政策を組み込んでいる度合いにおいては、おそらく政党の中で最も高い。

環境大臣が同党出身だからかもしれないが、用語の使用などに、環境省の影響がにじみ出ているような印象を受けた。

日本共産党

共産党は、総選挙政策という形で方針を発表している(。PDFという形で公開していないので、ページ数は分からないが、細かさのレベルでは公明党と同じくらい細かく色々書いてある。

まず、「基本政策」と題された3つそのものの中には、気候変動政策は位置づけられていない。

ただし、基本政策の第1である「【1】財界・大企業中心の政治をただし、くらしと権利をまもる「ルールある経済社会」を築きます」の中の1項目として、「地球温暖化対策」は登場する。

具体的には、

6、地球温暖化をくいとめる国際的な責任を果たし、地球環境を守ります
(1)基準年を1990年から2005年に変更するごまかしをやめ、2020年までに温室効果ガスを30%削減する中期目標を設定します
(2)最大の排出源である産業界に対し、公的削減協定など実績のある施策を実施します
(3)自然エネルギーの活用を大幅に拡大します

という形でシンプルに述べられている。これだけを見ると、やや(2)や(3)に具体性がないようみ見えてしまうが、中身を読んでいくと、中期に加えて長期での80%削減、環境税排出量取引制度の導入、固定価格買取制度の自然エネルギー全般への拡大など、鍵となる政策にも言及している。

基準年を2005年にずらすことへの「ごまかし」をわざわざこの中で厳しく批判してたりするあたりは、共産党らしい批判的姿勢である。

こうしてみると・・・

ざっと眺めてきたが、こうしてみると、大きな差がつきにくい部分もある。

少なくとも、中期目標や排出量取引制度などの政策については、どの党も挙げている。違いは、細かいニュアンスの部分になってくる。

あとは、自民党がどうなるかだ。