BASIC グループ

今月25(月)〜28日(木)の予定で、いわゆるBASICグループの会合が開かれるらしい。

BASICとは、ブラジル、南アフリカ、インド、中国の4カ国からなるグループである。これらの国々は、成長著しい新興国として、気候変動交渉の中でも重要な役割を果たしている。

下のFinancial Timesの記事で、インドのジャライム・ラメシュ環境相が国内でコペンハーゲン会議の結果について行ったスピーチの紹介とともに紹介されている。

記事の中では、同時に、今回のコペンハーゲン会議での交渉ではBASICグループがアメリカ政権(+ヨーロッパを背後に)に対して勝利することができたとの表現が出てくる。

興味深いのは、その部分の表現が、"could take the victory it had achieved at the Copenhagen talks to negotiate reform of the world's economic architecture and trade system" となっていることだ。つまり、コペンハーゲン会議の性質を、「世界の経済構造と貿易体制の変革に関する交渉」として、その中で「勝利」した、と書いてあるということだ。

記事の地の文の表現なので、記者がそう解釈して書いたのか、ラメシュ環境相が実際にそういったのか分からないのだけど、後者なら、インド環境相がどのように今回の会議を捉えていたのかがかいま見える部分として興味深い。

また、どのような部分で「勝った」のかについては、以下のように説明されている。

The developing world front was able to prevail in a direct exchange with Mr Obama in differences over global goals, legally binding targets and monitoring. It was also able to resist efforts by the US, UK and Australia to tie the $100bn funding of technology to the developing world to China and India’s acquiesence to a more stringent agreement.

ここでも興味深いのは、あえて取り上げている項目として以下を挙げていることである。

これら4項目を全て拒否した、ということなのだが、要するに、これらがインドにとって重要なポイントであったということになる。これらの項目は、実際に交渉で焦点になっていたので、別に大きな驚きはないのだけれど、あらためて当事者の一方からそうだったということがスピーチで確認されると参考になる。

今月の25日〜28日という時期は、コペンハーゲン協定で合意された1月31日までの削減目標・行動の提出期限直前という時期になる。この辺でまた少し動きがあるのであろうか。気になるところだ。

*1:コペンハーゲン協定の中で合意されたファンドは、厳密には技術だけを含むわけではない