本城直季 / ハービー・山口

休日なので本屋をブラブラしていて、なんとなく気分が乗ったので写真集を2つ買った。写真集なんて滅多に買わないのだが。

1つは、本城直季氏の『small planet』である。

small planet

small planet

知っている人には「今更・・・」と思われてしまうこと間違いないが、買う気になったのが今日なのだから仕方がない。あの梅佳代氏と同じ年に木村伊兵衛賞を受賞。

本城直季という名前を知らない人でも、「ジオラマ/ミニチュアみたいな写真を撮る人」というと「あーあの人」と思い出すかもしれない。

すごく特徴的な写真を撮る人だ。上空からの風景を撮った写真が多いのだが、被写界深度が浅く、写真の周辺がボケていて、かつ、写っているモノや人、景色がみんなジオラマみたいに見える。それでいて、焦点が合っている部分の人たちは、変にリアルに見える。なんだかとても不思議な写真が多い。

small planet で私が特に気に入ったのは、鯉のぼりを写している写真、夜のグラウンドを写している写真、そして、白川郷を移している写真だ。

鯉のぼりっていう、本来は動きが大きいはずのものが、見事にジオラマ化(?)されており、とっても不自然なのが面白い。夜のグラウンドは、ちょうど、ボケがグラウンドを挟み込むようにしてあって、うまいぐあいにクローズアップされているのが印象的だ。白川郷は、余計なものがいっさい排除された妙に不自然な、しかしとても奇麗な風景の中に合掌造り集落が立ち並ぶ絵が新鮮だ。

実は、本城直季氏は、勤め先の広告にも協力して頂いたことがある(別に私は会ったことはないのだけれど)。

素人目には、やっぱり、「どうやって撮るんだろう」と気になる。

ちょっとググってみると、大判カメラの「あおり」というテクニックを使って撮るそうだ。大判カメラというのは、名前の通りフィルムが大きいカメラのことで、よく、観光地で記念撮影用にカメラマンが設置しているアレである。

「あおり」というのは、レンズに対してフィルムを傾けるテクニックらしいのだが、それでなんであんなジオラマ写真が撮れるのかは正直よく分からない。でも、普通のデジタル一眼レフでは撮れないものであることは間違いなさそうだ。

もう1つ買った写真集は、ハービー・山口氏の『HOPE 空、青くなる』だ。

HOPE 空、青くなる

HOPE 空、青くなる

こちらは、モノクロの写真集で、スナップが中心だ。街中のほんの他愛もないスナップがたくさん並んでいるだけなんだが、それらがとてもいい雰囲気を出しており、タイトルの通り、「希望」を感じさせる。特に、子どもや、若いカップルの写真が結構多いのだが、すごく良い表情・しぐさをしている一瞬を見事に切り取っている。写真は、やっぱりある瞬間を切り取るものなんだなということを強く感じさせてくれる作品が多い。

ハービー・山口氏は、もうベテランの写真家で、業界じゃ有名人らしいが、私は初めて知った(・・・)。

写真展とか、見に行ってみたいなと思った。

ちなみに、ハービー・山口氏が使っているのはライカだそうだ。