“予想通り”の気候変動?

世界気象機関(WMO)が、2010年の世界の平均気温が1998年や2005年と並んで過去最高だったということを発表した。まだ暫定みたいで、最終的な発表は3月になるそうだが。

確かに昨年は世界各地で猛暑のニュースが相次いだ。

日本についても、気象庁が今年初めに、夏の平均気温が過去113年間で最も高かったと発表していた。

こうした新しい気温データ等が揃ったことを受けて、気候変動の科学を解説するブログとして有名なRealClimateが、過去の平気気温等のデータとIPCC第4次評価報告書での予測(projection)のダータを重ねてみるという試みをしている。

平均気温、海洋貯熱量、北極海氷面積について、それぞれIPCC第4次評価報告書との比較を行い、そして最後に、平均気温とハンセンの1988年の予測との比較をしている。

それぞれについてグラフになっているので、別に英語が分からなくてもある程度は分かると思う。

前者の中で、平均気温と海洋貯熱量は、モデルは比較的現在の状況を再現できているが、北極海氷面積については、海氷面積の縮小ペースを相当に過小評価してしまっているのがよく分かる(赤い線が実測値)。

北極の海氷は、気候変動の影響に対してモデル内で想定されていたよりもより脆弱である(感度が高い)ということらしい。