堀正岳 中牟田洋子 高谷宏記 『モレスキン:人生を入れる61の使い方』 ダイヤモンド社 2011年
- 作者: 堀正岳,中牟田洋子,高谷宏記
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/09/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日々の生活や仕事、あるいは読書の中で、ふと思いつくことの中には、自分にとって大事だと思っても、そのまま流してしまって、後で「あれ、何かいいこと思い付いたはずなんだけどな〜」と思うことがけっこうある。
そういうちょっとした着想をきちんと「貯めて」おきたくて、2年ほど前から、モレスキンのノートブックを使っている。本屋の片隅とかでもたまに売っている「ピカソも愛用した」とかいう黒くてごついノートである。
元々、ノートをこまめにとるということが苦手なので、結構、途切れ途切れでのノートになっているが、少しずつ活用の仕方が分ってきたような気がする。
別にモレスキンのノートブックである必要はないのだけれど、この本の著者の一人である堀正岳氏の前著であるモレスキンに関する本に影響された部分もけっこうある。
モレスキンのノートのいいところは、外側のカバーが通常のノートに比べると頑丈なので、割合と荒い扱いにも耐え得ること。これは、かばんの中になんでも詰め込んでしまう習性のある私みたいな人間にとっては重要だ。それから、ページ数が多いこと。これは、多少、無駄だと思うことでもとりあえず気になったら書くというためには意外と大事だったりする。
それはともかく、この本はそんなモレスキンのノートを使う人たちの事例集を、写真付きで紹介した本だ。この本も買って読んだのはだいぶ前なのだけれど、今改めて眺めてみても結構楽しい。
昔からノートをとるという作業がへたくそだった人間としては、ここに載っているノートの事例の数々を見ると、よくもまあこんなに色々と工夫のしようがあるものだと感心してしまう。
いくつか、印象に残ったものを挙げると、
- とにかく「貼る!」「引用する!」というもの。これは色々なノート論に出てくるが、実際に役に立つ。特に、雑誌記事でも何でも貼り付けるのは意外と大事。これは、その記事を読んだ時の自分の心境を思い出すのにも。
- 読書感想は、「文」とは限らないというもの。これは、自分では実践してないが、何かについての感想を絵などで残すと言うもの。自分にはない自由発想、できない発想で、おもしろいと思った。
- Urban Sketchersという名前のコミュニティがあること。モレスキンのノートに、スケッチをする人たちのコミュニティだそうだ。道具としてのノートの周りに、こうした濃いコミュニティが出来るというのはすごいことだと思った。
- 贈り物として使うということ。前述の通り、モレスキンはページ数が多いので、下手するともったいない使い方になりそうだけれど、高級感のある装丁をもつモレスキンであれば使えるのだろうなとも思う。
- 子供の成長日記に使うということ。これは、モレスキンに限らず、多くの親御さんたちがやっていることだと思うが、あんまりこういう「記録」的な側面に関心がなかった自分にはやや新鮮な使用法だった。
- 刑事の方が使っているという事例。テレビや映画の影響で、刑事が持つ手帳というと、リングタイプでしかも上にリングがついているタイプのイメージがあったので、少し意外だった。まあ、確かに、耐久性があるノートが求められるのだろうなと納得
この他にも、自分のノートに取り入れられそうなちょっとした工夫もあれば、自分じゃとてもこうはできないなというものまで色々ある。それでも、他人のノートを写真付きでのぞけるのは、自分のノートを見直して新しいあり方を考える良い機会になる。