ADP2.8が2月8日〜13日に開催

今年も気が向いたときだけしか書けないでしょうけど、ぼちぼちと。

ADPの開始

昨年のペルー・リマでのCOP20の決定を受け、いよいよ今年最初の国連気候変動会議(ADP)が始まります。今回はスイス・ジュネーブで、2月8日〜13日の開催予定です。

相変わらず、いわゆるagenda fight*1を避けるために、第2回目から議題は閉じずにそのまま継続しているという形式になっているので、ADP第2回目の第8セッション(ADP2.8)という位置づけです。

ADP共同議長(Co-Chairs)から、今回の会議をどう運営するつもりなのかを記した恒例の「シナリオノート」も公表されています。

今回から、新しいADP共同議長さんたちです。

  • Mr. Ahmed Djoghlaf (Algeria)
  • Mr. Daniel Reifsnyder (USA)

リーフシュナイダーさんの方は、かつてコペンハーゲンまでの交渉の時に、AWG-LCAの議長も務められたことがある方ですね。議長が信頼を得ることができるかどうかって、この交渉ではかなり大事なので、その辺も注目です。

COP20・CMP10のレポート

今回のADPは、当然ながら昨年のCOP20の結果を踏まえて開催されるわけですが、つい先日、COP20とCMP10の正式なレポートが発行されました。

COPやCMPの「レポート」は、決定などがきちんと入れられた国連文書です。COP20での主な決定である"Lima call for climate action" は上記COPの方のAdd.1に入っています。

余談になりますが、私が新人の時に戸惑ったのが、結局、COP等で決まった「決定」文書はどこに行くのかということでした。

これ、なんだかえらく分かりにくいのですよね。だから、後で調べようと思って苦労した覚えがあります。

長年の経験?によって分かったのは、以下の流れ。

COPでは、決定時にLドキュメントという、ドキュメントシンボルにLが付いた文書が作られます。ま、いわば総会での決定前の決定草案としての文書ですね。たとえば、Lima call for climate actionの下書きはFCCC/CP/2014/L.14という番号が振られてました。

この文書は、いわば総会用の草案なので、最終決定ではありません。この後、変わる可能性があります。総会に文書が出てくる時は、だいたい、交渉は終わっていてそのまま採択されるようになっているものですが、時には総会で各国の間でドンパチやらかす時もありますので。

で、総会で決定がされると、最終的にそれが修正されて、決定文書となります。インターネットが貧弱だった時代は、この最終的な議論の推移を把握していないと、けっこう後にならないと最終的な文書がなんだったか、オブザーバーには分からなかった記憶があります。

今では、だいたい決定の翌日ぐらいに、総会で修正があった場合はそれも含めて、決定文書がUNFCCCのウェブサイトにアップされます。その時には、"advance unedited version"などの但し書きが付くことが多いです。

そして、それらが最終的にきちんとフォーマットなどが整えられて、正式な国連文書の記録として残るのが、上記「レポート」です。

で、レポートにも少し癖というか慣例がありまして、一連の文書のうち、最初の"Add.X"がついてない文書は、だいたいがproceedingsで、Add.1以降が実際の決定文書です。なので、その会議で一番大事な決定は、だいたいAdd.1に入っています。これが分かっていると文書の探しやすさが違います。

ちなみに、Addはaddendum、つまり付録・追加部分の意味で、要するに文書が長過ぎる場合に小分けにされるもんだと思って頂ければ。国連文書では、やや特殊な使い方がされますが、それはまたそのうちに。

*1: 議題を採択するだけで数日間もめて交渉時間を無駄にする行為を揶揄して使うようになった言葉