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北極に関するシンポに出てみて

北極に関するシンポジウム

今日は、「北極温暖化の実態と影響」というイベントに行ってきました。

個々のお話は面白く、勉強になるところが多かったのですが、会場からの質問や、パネルディスカッションのモデレーターの方からの質問に対する諸回答が煮え切らない回答が多く、なんとなく消化不良な感じでした(全部とは言いませんが)。

ま、そんな愚痴はともかく、日本の北極研究も、移行期にあるのだというのがよく分かりました。行くまではよく分かっていなかったのですが、けっこう分野横断的にやろうとしたGRENE(グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス)というプロジェクトが今年度でおしまいで、今度は、ARCSというプロジェクトが始まるということらしいです。「北極での激変する環境変化に、研究者の人たちもあたふたしている」というあるパネリストの言葉が印象に残りました。

シンポジウム本体とは少し離れるのですが、発表の中で使われている図表等や、会場の外にあったポスターを見ていて思ったのですが、結構、北極の状況についてのデータとかって、きっちり公開されているんですね。

家に帰ってから少し調べてみました。

日本の研究機関から提供されている北極関連のデータ・図表

気候変動の議論をしていると、北極の海氷面積が小さくなっている!というニュースは頻繁に目にします。

その時に、海氷面積の図をよく目にするわけですが、どちらかというと、アメリカのNSIDCという機関の図表が使われているのをよくみます。

ですが、日本の研究機関も、頑張ってデータを公表し、かつ可視化の努力をしています。

下記は、そのうちの一つ。

北極の海氷面積の季節変化をグラフ化したものです。北極域のデータの相互利用を目的として公開されているADS(北極域データアーカイブ)というところで公開されているグラフです。1本1本の線グラフが、1年を代表しており、横軸が月、縦軸が海氷面積となっています。2012年9月が最も海氷面積が小さかったことが分かります。

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また、これをさらに可視化したのが、ロケットで有名なJAXAの一部であるJASMES(宇宙航空研究開発機構 地球観測研究センター)のウェブサイトで公開されている「海氷ギャラリー」の画像です。こちらは、正確には「海氷面積」ではなくて「海氷密接度」を測ったものですが、イメージをつかむだけなら問題はないでしょう。

本当はこんな感じで、ダイレクトにアップしたら怒られてしまうかもしれませんが、活用されないよりはマシだろうと思うので、アップしてしまいます。いちおう、出典は明記してますので・・・。

まず、比較のために、1980年の北極の様子を、年間を通じて表示しているのがこちら。右上で、月日が経過していく模様が見て取れます。

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次に、観測史上最も海氷面積が縮小した2012年の時を表示しているのがこちらです。

こちらは画像をはてなフォトライフにアップしようとするとなぜか失敗するので、リンクを張っておきます。20メガバイトもある重い画像ファイルなのでご注意下さい。

http://kuroshio.eorc.jaxa.jp/JASMES/climate/data/gif_a/JASMES_CLIMATE_IC1_20120000_5DAVG_PS_0900_0900_NHM_200.gif

1980年代と比べると、右上の数字が9月近辺に達したときの、海氷密接度がハンパなく小さくなっているのがよく分かると思います。

ちょっと難しいですけど、こういうのも、現実に気候変動の影響によって何が起きているかを伝える上では重要なツールであるし、もっと活用されてもいいように思います。

アメリカのNSIDC

ついでなので、アメリカのNSIDC (National Snow and Ice Data Center) が公表しているデータもついでに見ておきたいと思います。私は、海外のニュースを見ることが多いせいか、北極の海氷面積に関しては、こちらのデータを見る機会が多い気がします。

グラフとしては、下記のもの。先ほどの、日本の研究機関のものとほぼ同じですね。

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また、海氷面積に関する図。先ほどと同じく、まずは1980年9月の海氷面積です。こちらは、同じくNSIDCのSea Ice Indexというページから見る事が出来ます。このような過去の図表については、アーカイブに閉まってあるので、そちらまで見に行く必要がありますが。

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そして、次に観測史上最小時の2012年9月時点での海氷面積です。

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 正直、NSIDCのウェブサイトの方が、情報提供のインターフェースは洗練されていますね。なんというか、使いやすい。でも、日本の研究機関も頑張っているので、もっともっと活用されていいなと思った今日この頃。