COP26の延期

2021年への延期は決定。でも時期は未定。

COP26の延期新型コロナウイルスの影響を受けて、国連気候変動会議も延期が既に決まっています。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局から各国およびステークホルダーへの通知が出されています。

ざっくりと整理すると以下の通り。

 

  • SB52(補助機関会合)
    • (旧)2020年6月1日〜11日
    • (新)2020年10月4日〜12日
  • COP26
    • (旧)2020年11月9日〜20日
    • (新)2021年、月日は未定

現状を見ていると、この10月のSB会合も、本当に予定通りできるのかちょっと怪しいところはありますね。国連会議の性質上、全ての国が公平に参加できる状況になっていることが必要なので、今みたいに新型コロナウィルスの感染ピークの時期が国によっても違う状況が続き、その影響が、特に途上国において長期化した場合は、再延期もありうると思います。

上記通知文書では、10月に本当にできるかの判断については、以下のように述べられています。

Taking into consideration the uncertainty of how the COVID-19 crisis will evolve in the coming months, the Bureau will review the feasibility of convening the session on the new dates at the latest two months in advance.

つまり「2ヶ月前にレビューしますよ」ってことなので、8月初頭には、10月の会議を本当にやるのかの判断が下されるのではないでしょうか。

政治的な意味

この延期が、現在の国連気候変動会議での議論にどういう影響を与えるかについては、もう少し考えてみたいのですが、すぐに分かる政治的な意味が2つあります。

1つは、COP26はアメリカ大統領選のだいぶ後になりそうだということ。アメリカ大統領選挙は11月3日の予定で、これまで、COP26はアメリカ大統領選の直後に開催される予定だったので、大統領選挙の結果の意味を各国が受け止める時間的な余裕はありませんでした。COP26は現状、来年の早くとも4月以降になりそうなので、そうなれば、アメリカ大統領選挙結果の意味を踏まえてのCOP26開催になりそうです。ただし、アメリカ大統領選挙自体も延期される可能性だってあると思うので、そうなるとまた少し話は変わってくるかもしれません。

もう1つは、中国の次期「5カ年計画」が発表された後の開催になりそうだということ。中国の排出量削減に関するスタンス等も、5カ年計画で結構わかるので、それも大きいかなと思います。

世界の2大排出国の動向を踏まえた上でのCOP26開催になりそうな感じではあります。まだ不確実性が大き過ぎますけれども。