ニューズウィークの温暖化特集に寄せて

最近、ちょっと嬉しいことがありました。
今週号(2014年7月22日号)のニューズウィークは「温暖化の暴走」という特集で、世界各地での温暖化影響のレポートが主でした。2℃を超える温暖化によってどんなことが期待されるかについて、やや煽り気味ながら(笑)、詳しく書かかれています。

週刊ニューズウィーク日本版 2014年 7/22号 [雑誌]

週刊ニューズウィーク日本版 2014年 7/22号 [雑誌]

実は、この特集の一部を書いておられるMark Hertsgaard さんという方に、以前、突然メールを頂いて、アジア地域の温暖化影響の情報を集めているが、英語での日本の情報はないかと聞かれました。その時は、残念ながらあんまり英語で整備された情報って、日本にはないんだけれども・・・と言いながら、いくつか心当たりを紹介したりしました。
余談ですが、日本って、本当に英語で海外に発信している情報が少ないんですよね。この分野に特有なのかもしれませんが、気候変動の科学的知見、影響、対策まで、英語で情報を提供するのは、結構大変だったりします。まあ、私の働いているところも、英語情報貧弱なのであんまり文句を言えた義理ではないですが・・・。
さて、このHertsgaardさんって方は、かなり昔からこうした環境問題の記事を書いておられる方で、私も学生のころに、Earth Odyssey という名前の本を、授業で読んで大変面白い(というと不謹慎ですが)と感じた覚えがあります。
Earth Odyssey: Around the World in Search of Our Environmental Future

Earth Odyssey: Around the World in Search of Our Environmental Future

私が読んだのは大学院生の時だったので、今から13年前くらいだったと思います。もう、そんな経つんですねえ。その後、日本語にも翻訳されました。日本でいえば、石弘之さんの『地球環境報告』みたいな本です。温暖化問題を始め、色々な地球環境問題の仕組みを知りたければ、より学術的な本の方がいいのでしょうが、環境問題が人や自然にとって何を意味するのかの気付きや問題関心を持つには、やはりこういうジャーナリストの方が書いた本がいいですね。
世界の環境危機地帯を往く

世界の環境危機地帯を往く

13年前に読んだ本の著者から問い合わせを受ける、というのは、嬉しい驚きです。しかも、自分が結局、その分野で仕事をすることになったので、なんというか、過去からの「初心を忘るべからず」という便りのようで。少し、昔、こうした本を読んで勉強し始めたころの気持ちを思い出しました。
Heartzgaardさんは、自前のサイトもおもちで、そこでは近著も紹介されてます。ちょっと読んでみようかなという気になりました。