6月は最も暑かった?

気象庁の世界と日本の気温データ

関東では暑い日々が続きますが、気象庁によると先月(6月)は、1891年の統計開始以降、最も暑い6月だったようです。

2014年6月の世界の月平均気温(陸域における地表付近の気温と海面水温の平均)の1981〜2010年平均基準における偏差は+0.32℃(20世紀平均基準における偏差は+0.68℃)(速報値)で、1891年の統計開始以降、最も高い値となりました。世界の6月平均気温は、上昇傾向が続いており、長期的には100年あたり約0.68℃の割合で上昇しています。

じゃあ、日本はどうだったのかというと、史上5番目だったようで。
2014年6月の日本の月平均気温の1981〜2010年平均基準における偏差は+1.08℃(20世紀平均基準における偏差は+1.62℃)で、1898年の統計開始以降、5番目に高い値となりました。日本の6月の月平均気温は、長期的には100年あたり約1.15℃の割合で上昇しています。

気象庁のウェブサイトって、結構情報充実しているんですよね。地方版の気候変化レポートとかもあって、結構勉強になります。

JAMSTECによる熱中症と気候変動の関係についての研究

時をほぼ同じくして、JAMSTEC独立行政法人 海洋研究開発機構)が、熱中症と気候変動の関係についての研究を発表しました。


独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)アプリケーションラボと高谷清彦氏(元東京大学大学院新領域創成科学研究科研究生)の共同研究チームは、関東地方における熱中症の死亡者数と気候変動の関係について、1980年から2010年まで約30年間の統計データ(※1)と気象観測データ(※2)の解析を行いました。その結果、死亡者数の変動と日最高気温が35°Cを越える猛暑日数の変動が強く関係しているとともに、猛暑日数の変動には熱帯域のエル・ニーニョ/南方振動現象(※3)やインド洋ダイポールモード現象(※4)が関わっていることを明らかにしました。本成果は、熱中症の発生に熱帯域の気候変動現象が間接的に関わっていることを示唆するものであり、今後、気候モデルを用いて気候変動現象を精度良く予測し、猛暑日に関する情報を事前に社会に発信することで、熱中症による被害を予防していくことが期待されます。


今年も既に気象災害が発生しています。こうした数字は、現在は必ずしも「気候変動による被害」としては認識されてません。個々の事象を「これは気候変動が原因である」と断定することは難しいからです。できたとしても、もう少し時間が経ってからでしょうね。
だからといって、こうした被害が急増している中にあって、手をこまねいているわけにもいかないので、上記のプレスリリースでも指摘がされているように、日本社会でも徐々にこうした被害への予防策を整えていかないと大変だと思います。特に、これから日本は人口減少社会+高齢化社会なので、長期的に見れば、熱中症による被害というのは、これまで以上に深刻になっていくのではないでしょうか。
そして、そもそも気候変動の進行を止めるために、温室効果ガス削減対策にもうちょっと真剣にならなければなりません。