経済界にも徐々に変化が?

経済同友会・小林代表幹事の会見

2019年2月1日の小林代表幹事の会見での発言がニュースになってました。知人のFacebookの投稿で拝見しました。

headlines.yahoo.co.jp

気になったので、経済同友会のウェブサイトに行ってみると、会見記録では下記のようになっています。

www.doyukai.or.jp

 

3.11から、8年近くが経った。大規模で突発的な(事故も)、ある意味では予測できたことに対応できていなかったという反省も含め、強力なテクノロジーだが使い方を誤ると人類に牙をむいてくる原子力というものに対して、経済同友会は「縮原発」という言葉をずっと使ってきた。(今冬の)ダボス会議で安倍首相が人工光合成光触媒に言及したことには驚いた。従来は化石燃料、石油・石炭、天然ガスへのアンチテーゼとして太陽光、地熱や風力などが位置づけられ、そこで(議論が)止まっていたが、(安倍首相は)環境問題と絡めて CO2をカーボン源にするということまで踏み込まれた。(東京理科大学学長の)藤嶋昭先生の名前を挙げて、Photo catalysis(光触媒)、Artificial photosynthesis(人工光合成)という言葉を使った。イノベーションさえ起こればそれも可能であると、非常に先を見通した発言をされ、ダボスの聴衆は納得したと思う。原子力も大きな電力源の一つではあるが、太陽光は、FIT制度によって補助して展開を図ったにせよ、日本に限らずグローバルにみても8年前に比べて、(発電)コストが安くなった。風力も地熱も、思った以上にコストが下がってきた。あの事故が起こったことを教訓として、原子力発電の安全に対し、1プラントあたり数千億円の規模で大きな投資をした。すると、かつて(原発の発電コストは)5円/kwh などと言われていたものが、気が付いてみると10円を超えている(という状況になってきた)。その一方で、太陽光は10円以下という国もある。2011年3月11日のあの時点から、(発電の)テクノロジー、経済性という意味では相当変化をしてきた。そこをきちんと考慮していかなければいけない。「縮原発」という思想と併せて、石炭(火力発電)は世界の笑いものになってしまう(ことも意識すべきだ)。人によると、日産・ゴーン前会長の勾留、捕鯨、そしてこうした(石炭火力に係る政策の)ことによって、世界から(日本は)特殊な国だと思われている面もある。それも踏まえて、今後どうしていけばよいのか。原子力を使わないにしろ、(日本に)原子炉は40基以上ある。静脈産業として、廃炉産業は人類にとって重要なものであるし、次の産業として成り立つターゲットの一つだ。(運転年限)が40年か60年かは別として、今あるものは動かしつつ、徐々にフェードアウトしていく(べきではないか)。世界では(原発が)400基以上あり、中国、ロシアがどんどん増やしていく中で、廃炉は事故が起きていないもの(に対して)もそれなりのテクノロジーが必要だ。人類にとって重要なテクノロジーであり、そこに日本が貢献できることは十分にある。加圧水型(原子炉)など、原子核エネルギーを取り出す新しい(方式)、外に拡散しないための研究開発などは、日本でも続けていくべきだ。従来型の炉を(今から)やるというのは、もう現実的ではない。今ある原発を動かすことさえ自治体や国民が納得していない中で、性急に政府が言っている(2030年度におけるエネルギーミックスの)20%~22%を原子力が担うという計画はあまり現実的でないので、徐々に状況を見ながら変えていく。ただし、いきなりサドンデスで、原子力エネルギーを今(すぐ)ゼロにするというのも現実的ではないように思う

 

強調部分は、私が敢えて書き足したところです。結構、踏み込んでいますよね。

原子力のフェーズアウトについて問題提起をしていることに加え、石炭についても言及しているのは嬉しい驚きでした。