トランプ大統領のパリ協定離脱宣言のヒドさと凄さ

トランプ大統領のスピーチはひどかった

すごい久々の投稿です。

6月1日の米トランプ大統領によるパリ協定の離脱宣言は、半ば予想されたこととは言え、がっかりでした。

離脱宣言そのものもがっかりでしたが、その中身がかなりひどかった・・・。

トランプ大統領は、パリ協定の内容がアメリカに対して一方的に不公平である旨をかなり強調してました。正直、「お前がそれ言うか」と思いました。パリ協定が成立するまでに、色々な国が譲歩し合って合意を作ったという事実にここまで無理解を示せるのかと、ある意味感心すらしました。

パリ協定に合意した多くの国々の感覚からすれば、オバマ大統領の下で、せっかくやる気になってくれたアメリカに対して、大きく譲歩して合意してあげたのに、というのが正直なところだと思います。

勇気づけられたアメリカ国内の反応

ただ、逆に、すごいなあと思ったのがその後のアメリカ国内の反応でした。

まず、州レベルでは、カリフォルニア州ニューヨーク州ワシントン州が、パリ協定支持を打ち出しました。

www.governor.ny.gov

州ではなく、各都市のレベルでも、市長たちが集まって、共同宣言を出しました。ロサンジェルス、ボストン(!)など、著名都市も含まれます。

medium.com

痛快だったのは、トランプ大統領がスピーチの中で引用したピッツバーグ市の反応でした。トランプ大統領は、スピーチで、「私はパリ市民を代表しているのではない。ピッツバークを代表しているのだ!」と偉そうに述べていましたが、当のピッツバーグの市長はパリ協定支持を打ち出してました。

この辺の一連の流れは、翌週頭(6月5日)に、「We Are Still In(それでも私たちはとどまる)」という国際社会に対する共同書簡という形でまとまりました。その数、実に1200以上。

www.wearestillin.com

さすがアメリカというべきところでしょうか。

なかなか、骨のある人たちがいます。これだけスピーディーに、力強いメッセージが出てきたことで、ある意味、トランプ大統領の外しっぷりが印象づけられる結果になったのではと思います。